検査室を効率化し、検査の質を上げる。ロシュのフィールドサイエンティスト

ロシュの「サイエンティスト」は、検査薬や機器に関するサインティフィックな専門性を活かし、お客さまに貢献する職種です。自社品を熟知しているからこそ、営業とは異なる視点での提案やサポートを行うことができます。製品の正しい情報やサポートをお客さまに届ける「マーケティングサイエンティスト」や、長期的なメディカルスキルを活かし、臨床研究などを主導する「ヘルスケアエクセレンス サイエンティスト」など、サイエンティスト内での役割も多岐にわたります。

今回ご紹介するのは、病院等で、検査機器を目的にあわせて使えるよう設定したり、検査データ活用のご相談に対応したりする「フィールドサイエンティスト」です。検査技師からフィールドサイエンティストに転身した井出さんと後藤さんに、やりがいや働くうえで大切にしていることなどを伺いました。

検査・検査室の向上に、広い視点で貢献していく

――まず、フィールドサイエンティストのお仕事内容を教えてください。普段、どのような流れでお仕事を進められていますか?

井出:主なお客様は、病院の検査室の方々です。営業と一緒に病院を訪問して、営業が全体的な話をするとしたら、自分は機器の詳しい説明を担当します。機器が導入されるときにはセッティングや性能チェック、操作説明に伺ったり、お客様がスムーズに機器をお使いいただけるよう、さまざまなサポートを担当します。機器が導入された後は、使い方やデータの見方など、こまかなアフターケアも行います。タスクが多いのは機器導入時ですが、病院に長く貢献するという視点では、アフターフォローも非常に大切だと考えています。いまの設備でできることを把握し、世の中の状況などを踏まえながら、ベストな検査室をつくるためのご提案をすることを目指しています。

後藤:お客様と密に連携することで、そのときどきの課題に応じたご提案ができますからね。ロシュは頻繁に新製品をリリースしており、新しい情報がどんどん出てくるため、お客様のお役に立てる機会も多いと感じます。

 

――お二人は検査技師の経験があり、もともとは病院の検査室で働く立場だったと伺っています。そもそも、どうしてメーカーであるロシュに転職してこられたのでしょうか?

後藤:私は検査技師として大学病院に7年勤め、心電図や肺機能検査といった生理機能検査を担当していました。そののち臓器移植コーディネーターに転職したのですが、やはりせっかくの資格や知識を活かし、検査に関わる仕事がしたいと考えてロシュに入社したのです。それに、病院の検査技師は患者さんと接する楽しさや医師の先生方と連携する面白さがありましたが、メーカーでは、さまざまな病院や検査技師の先生方と関わることができ、違った視点で仕事ができるように感じました。

井出:その気持ちは、私もよくわかります。私はフィールドサイエンティストとして、広い視点で検査の重要性を広めたいと考えています。検査は診断や治療の入り口になるとても大切なものなのに、検査室や検査技師の認知度は、まだまだ高くありません。コロナ禍を経てPCR検査に注目が集まりましたが、様々な検査領域でより重要性を広めるためにできることがあるはずです。

――フィールドサイエンティストの仕事に、お二人はどのようなやりがいを感じていますか?

井出:機器導入の前後で、検査室の動きが変わったことを感じられる瞬間など、自分の提案が検査室の役に立っていると思えるととてもうれしいですね。検査の時間が短くなったり、いままで手間がかかっていたメンテナンス業務が効率化したりするのは、目に見えてわかりますから。

後藤:自分が検査技師だったとき、夕方に時間をかけて検査機器のプローブ(検体や試薬を吸引する針)を拭いたりしていたからこそ、たとえばいま「新しい機械なら1時間かかっていたメンテナンスが20分で済むんです」などと実感をもって言えます。検査技師の先生方から「新しい機器のおかげで早く帰れるようになりました」とお礼を言っていただけることもあります。

井出:私は、いくつもの病院に関わることで、その先で何十人もの検査技師や何千人もの患者さんに貢献できているとも感じます。その影響の大きさはプレッシャーでもあるけれど、手ごたえにもつながるものです。

また、検査室の仕事を減らすだけでなく、検査そのものの向上によって患者さんの治療に貢献できるのも、大きなモチベーションですね。

そういえば先日、やりとりしている検査技師さんから「外来の先生から『最近、検査が速くなったね』って褒められたよ」と言われました。あれは感激しましたね。それまで外注していて結果を出すまで3日かかっていた検査が、機器導入によってその日のうちに院内で対応できるようになったケースもあります。検査結果が早く出ることで、患者さんの不安を早く解消できたり、スピーディーに次の治療に進む補助ができたりすると思うと、自分の仕事の意義を感じます。

それぞれのスキルを活かして、お客様に寄り添った提案を

――お二人が仕事をするうえで大切にしていることを教えてください。

後藤:やはり、お客様と信頼関係を積み重ねていく意識でしょうか。用件だけではなく雑談も大切にするなど、話しやすい雰囲気をつくることが課題の発見につながっていきます。逆に、信頼関係がないと、どれだけいい機器でも使いたくなくなってしまうかもしれません。だからこそ基本的な挨拶や笑顔を大切にしつつ、いただいたご相談にはきちんとデータで根拠を示すなど、誠実に取り組むようにしています。

井出:誠実な提案って、難しいですよね。検査室の環境をよくしていくためには、自動化できるたくさんのシステムや機器を提案したくなってしまいます。。でも、病院によって状況は違うので、きちんとその現状に寄り添いながらいまできるベストを考えるのが、誠実な提案だなと思います。

後藤:病院や検査室によって「とにかくスピードを求めている」「作業効率重視」「臨床への貢献に重きを置いている」など、スタンスも違いますしね。だからこそ、病院との丁寧なコミュニケーションが大切なのだと思います。

 

――ロシュのフィールドサイエンティストだからこそできることは、何だと思いますか?

後藤:私たちが担当しているのは主に生化学・免疫検査の製品ですが、ロシュにはほかにも病理検査や遺伝子検査など、さまざまなジャンルの製品があります。フィールドサイエンティストも、基本的にはそれまでの経歴や関心に合わせて専門を担当します。興味があれば、自分の枠から飛び出て別のジャンルに挑戦することも可能です。新しいことを学び、自分の領域を広げていけるのは、ロシュならではの面白さですね。

井出:ロシュのフィールドサイエンティストは、キャラクターもさまざまです。身に着けてきた知識や働いてきた場所がそれぞれに異なるからこそ、自分なりの経験値を活かして働きやすいのだと感じます。お客様との信頼関係の築き方や提案の仕方などが一任されており、自分のスタイルを試行錯誤できるのもいいところです。

後藤:営業やエンジニアなど、社内の他部門と連携してひとつの案件を達成していく、チームプレイの楽しさもありますね。ロシュはそれぞれが自律的に働きながらも助け合うネットワーク型組織なので、チームの垣根を越えて手を取り合う空気があります。これから採用活動を通じて新しいフィールドサイエンティストが増えていけば、それぞれのバックグラウンドを活かして、さらに仕事の幅が広がるはずです。これまで以上に能動的な提案ができる場面も、きっと増えていくでしょう。


――最後に、これから成し遂げていきたいことを聞かせてください。

井出:いまできるベストな提案を積み重ねながら、つねに検査室をアップデートしていきたいです。各病院の検査技師さんともご相談しながら、一歩ずつ歩んでいきたいですね。

後藤:私はもうすぐ産休に入るのですが、復帰後も子育てをしながらフィールドサイエンティストとして働いていくつもりです。外勤が多い職種ですが、産後も子育てと仕事を両立できる環境を、いま先輩方が整えている最中です。自分なりの道筋を模索しながら、フィールドサイエンティストの面白さを後輩にも伝えていきたいです。

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