サステナブルな製造は、サステナブルなインフラから始まります。
たとえば中国・蘇州にある拠点のビルは、建築や都市の環境性能評価システム「LEEDグリーンビルディング認定基準」に準拠した、環境に優しい機能を備えています。以下のような、エネルギー効率を促進する、持続可能なソリューションです。
エネルギー需要を最小限に
より厚い 断熱材や日射防止ガラス、固定窓の日よけを使用しています。
エネルギー効率を向上させる2つの機能
空間ごとに個別でコントロールできる分散型空調と、省電力・長寿命のLED照明を採用しています。
グリーンエネルギーの生成
ソーラーパネルを設置し、太陽光発電を行っています。生成した電力は、管理棟のエネルギー需要の約80%をカバーするのに充分な量。これは、約500戸の民家が1年間で必要とする電力と同等です。
敷地を広げる際も、サステナビリティを重視しています。
たとえば米国・ニュージャージー州ブランチバーグの事業拠点では、製造棟と倉庫を増設しても、二酸化炭素排出量の総量は増加させない予定です。本管理棟の改修工事においても、人感センサー付きでエネルギー効率の良いLED照明やソーラーブラインド、電気自動車の充電ステーションを導入し、よりサステナブルな施設を目指しました。
3,000平方フィートの屋上庭園には、空気を浄化する芝生や植物など、たくさんの緑があります。雨水の流出を管理し、再利用するためのサステナブルな保水トレイも設置されています。
世界で3番目に大きなロシュの拠点、ドイツ・マンハイム。
ここではグリーン電力のみを使用し、熱廃棄物をリサイクルした蒸気で建物内を暖めることにより、CO2排出量が半分まで削減されました。ドイツ最大の冷水貯蔵タンクもあり、製造工程での冷却に必要なエネルギーを大幅に削減しています。
また、2年後までには、ヨーロッパ向けの新しい配送センターが建設されます。これは、マンハイム拠点初となる、排出ガスゼロの建物です。
ミュンヘンの南にあるペンツベルクには、もう1つの見どころがあります。ここでは、廃水からエネルギーが生成されているのです。発生した廃水ガスは熱電併給プラントで燃焼され、発電に使用されます。さらに、廃熱は暖房としても活用。エネルギー消費者であった廃水処理プラントが、エネルギー生産者へと変身したのです。
ロシュは、世界中の工場でペーパーレス化に取り組んでいます。組み立てプロセスをリアルタイムで計画・追跡する電子システムを使用することで、紙の使用量を最小限に抑えているのです。
蘇州では、製造指示書や記録をデジタル化したり、モバイル機器で商品の移動をデジタル追跡したりすることで、開業当初からのペーパーレス製造を実現しました。
ドイツのマンハイムとペンツベルクでは、原料が完成するまでのすべての製造ステップを、コンピューターで追跡し、文書化。これにより製造現場の状況をリアルタイムに把握できるため、製造プロセスの最適化や生産量向上が実現しました。紙の無駄を減らすだけでなく、作業の無駄ややり直し、廃棄の削減にも役立っています。
米国ブランチバーグの冷蔵冷却システムには、オゾン層を破壊する物質が含まれていません。
また、再利用できる容器を用いた製造を増やしたことで、プラスチック廃棄物が減少。さらに、洗浄時に使用する水と化学物質を減らすため、製造工程の最適化も果たしています。一般廃棄物を削減し、その少なくとも80%をリサイクルするという目標に向かって、力を尽くしているのです。
米国・アリゾナ州ツーソンの製造部署では、社員の靴カバーを再利用可能なものに変更しました。これが導入される前は、毎年約29万6,000個もの使い捨て靴カバーが廃棄されていたためです。
スイス・ロートクロイツの運用チームは、研究室などで活用したために汚染された機器の、除染プロセスを新しくしました。完全自動の装置で、環境に優しく、人体にも比較的無害な化学薬品を使用しています。
サステナブルな製品の梱包・発送を実現するため、ロシュではできるかぎり、航空輸送よりも海上輸送か陸上輸送を選択しています。また、常に梱包材や冷却材を削減し、再利用するように努めています。
米国・アリゾナ州ツーソンの拠点では最近、データキャリアへの対応として、組織診断用消耗品への二次元バーコード(QRコード)使用を開始しました。
以前は、製品の箱に小さな金属製のボタンを取り付ける必要があり、毎年500万近くのボタンと粘着パッドが使用されていました。代わりに二次元バーコードを使うことで、環境廃棄物が削減。シールに印刷されたり、箱に貼り付けられたりした二次元バーコードは、リサイクルも可能です。
ロシュでは、サステナビリティをあらゆる仕事の最優先事項にしてきました。品質管理や配送管理だけでなく、環境そのものへの取り組みもしっかりと果たしていきます。
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