ロシュ・ダイアグノスティックス、質量分析の分野に参入 フルオートメーションの装置で、検査室に革新をもたらす

 

ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社(本社:東京都港区/代表取締役社長 兼 CEO:小笠原 信)は、ロシュ初の質量分析装置として、「コバス pro」向けの新しい分析モジュール「コバス pro i 601 (質量分析用モジュール)」を今夏導入します。

質量分析検査は目的の物質をイオン化し、質量分離により同定及び定量する検査です。化合物や生体分子の質量を識別し、その構造や量を直接的に検出・測定します。質量分析は、治療効果のモニタリング、内分泌検査、乱用薬物検査などに応用され、患者さんケアの向上に寄与することが期待されています。また、その高い感度、特異性と正確性から、特定の診断においてゴールドスタンダードとして存在するものの、従来の質量分析装置はマニュアルでの複雑な検体前処理やデータ解析を要し、また機器は大型で、高度な技術を必要とするため専門の検査室でのみ活用されてきました。

ロシュはこれらの課題を解決し、日常検査での質量分析検査を可能にするフルオートメーションの装置の開発を実現しました。質量分析装置「コバス pro i 601(質量分析用モジュール)」は、検体前処理から分析、結果送信までの工程を自動化することで、マニュアル作業を大幅に削減し、標準化された検査プロセスを臨床現場に提供します。また、将来的にソフトウェアのアップデートにより、既存の生化学・免疫検査装置と質量分析装置を組み合わせて使うことが可能となります。ロシュは臨床分野におけるパイオニアとして、本製品の導入とともに質量分析検査を日常の臨床検査で運用可能とすべく、一日も早い上市を目指してまいります。

【製品概要】

製品名:質量分析用モジュール「コバス pro i 601」

コアユニット(検体架設部)、SPユニット(サンプル前処理部)、LCユニット(液体クロマトグラフ分析部)、MSユニット(四重極型質量分析部)から構成される、液体クロマトグラフィ・タンデム質量分析(LC-MS/MS)装置

  • ランダムアクセスかつ検体前処理から結果報告までを全自動で行う

  • 1時間あたり最大100検体の処理能力

  • 日常的な検査室のニーズに合わせ、迅速かつ予測可能なターンアラウンドタイムを実現

  • 検査室のマニュアル作業を大幅に削減し、エラーの低減により、安全性・プロセス品質が向上

  • トレーサビリティが担保された幅広いアッセイメニュー

  • 測定に用いるi packは60項目を順次展開予定(ステロイド、ビタミンD、免疫抑制剤、抗菌薬、抗てんかん薬等を測定)

【コバス proについて】

コバス proは、検査室の業務軽減を図る「インテリジェントオートメーション」をコンセプトとした次世代の生化学・免疫統合型分析装置として、2019年に発売を開始しました。検査の効率化や省力化のニーズを満たすため、検査技師が日々行っているメンテナンスや検査準備などの作業負荷を軽減し、機器に費やす時間を可能な限り短縮することで、より少ないリソースで精度の高い検査を実現します。
コバス proは、ロシュと株式会社日立ハイテクの長年のパートナーシップを通じて開発されました。今夏「コバス proi 601」が同シリーズの新しい分析モジュールとして加わります。ロシュと株式会社日立ハイテクは1978年に業務提携を開始して以来、検査室で必要とされる効率性の提供に努め、現在、世界中で84,000台以上の生化学・免疫自動分析装置が稼働しています。

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広報(報道関係者向け)

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