ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社(本社:東京都港区/代表取締役社長 兼 CEO:小笠原 信)は、がん組織又は細胞中のHER2タンパク検出に用いる体外診断用医薬品「ベンタナ ultraView パスウェーHER2 (4B5)」の一部変更承認を2022年3月17日に取得しました。中外製薬株式会社(以下、中外製薬)が販売する「パージェタ®注射用420mg(一般名:ペルツズマブ(遺伝子組換え)、以下パージェタ)」+「ハーセプチン®注射用60、同150(一般名:トラスツズマブ(遺伝子組換え)、以下ハーセプチン)」の結腸・直腸癌患者に対するコンパニオン診断薬として承認されました。
「ベンタナ ultraViewパスウェー HER2 (4B5)」は、がん組織又は細胞中に発現するHER2タンパクを検出する体外診断用医薬品です。これまで、乳がんおよび胃がんに対する診断補助、ならびにハーセプチンの唾液腺がん患者への適応を判定する補助として使用されてきました。このたび、がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌に対してパージェタ+ハーセプチン併用療法が適応拡大されたことに伴い、当該適応において「ベンタナ ultraViewパスウェー HER2 (4B5)」をコンパニオン診断薬として用いることが可能となりました。
今回の承認は、国内第II相臨床試験(医師主導治験)である、EPOC1602試験(TRIUMPH試験)の成績に基づいています。本試験では、標準化学療法に不応・不耐なHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌患者を対象に、パージェタ+ハーセプチンを併用投与した場合の有効性と安全性が検証されました。本試験におけるHER2発現の確認には、IHC法として「ベンタナ ultraView パスウェーHER2 (4B5)」の弊社同等品が用いられています。
ベンタナ ultraViewパスウェー HER2 (4B5)
免疫組織化学染色法(IHC法)により、生体由来の組織又は細胞中のHER2タンパクを検出する組織検査用腫瘍マーカーキットです。ベンタナ ベンチマークシリーズの自動免疫染色装置を用いて検出します。
使用目的:
1. 生体由来の組織又は細胞中のHER2タンパク(HER2)の検出(悪性腫瘍の診断補助等)
2. がん組織又は細胞中のHER2タンパク(HER2)の検出(トラスツズマブ(遺伝子組換え)の唾液腺癌患者への適応を判定するための補助に用いる)
3. がん組織又は細胞中のHER2タンパク(HER2)の検出(トラスツズマブ(遺伝子組換え)及びペルツズマブ(遺伝子組換え)の併用療法の結腸・直腸癌患者への適応を判定するための補助に用いる)
※下線は今回の承認部分です。
※保険適用について:悪性腫瘍の診断において、すでに適用されているものから変更はありません。
パージェタは、国内では中外製薬が販売している抗HER2ヒト化モノクローナル抗体「ペルツズマブ(遺伝子組換え)」を有効成分とする抗悪性腫瘍剤です。2013年に「手術不能又は再発乳癌」を対象に販売され、その後「HER2陽性の乳癌における術前・術後薬物療法」への適応を取得し、本剤の効能又は効果は「HER2陽性の乳癌」 となりました。
ハーセプチンは、国内では中外製薬が販売している抗HER2ヒト化モノクローナル抗体「トラスツズマブ(遺伝子組換え)」を有効成分とする抗悪性腫瘍剤です。本剤は2001年に「HER2過剰発現が確認された転移性乳癌」を対象に発売され、その後適応を拡大し、現在の効能又は効果は「HER2過剰発現が確認された乳癌」となりました。また、2011年に「HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進⾏・再発の胃癌」への適応、2021年に「HER2陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌」への適応もそれぞれ取得しています。
国立がん研究センター「SCRUM-Japanの研究結果に基づく成果 アンメットメディカルニーズのHER2陽性大腸がんに対して、世界初の有効な治療法が国内で承認」(2022年3月28日プレスリリース)
広報(報道関係者向け)
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