移植後の患者は免疫抑制状態にあるため、体内に潜伏感染状態にあったウイルスが再活性化することがあります。ヘルペスウイルスの一つであるEBV(エプスタイン・バーウイルス)は、そのような免疫抑制状態にある移植後の患者に移植後リンパ球増殖症(PTLD)を引き起こす可能性があります。
EBVは若年のうちに感染していることが多く、日本人のEBVの抗体保有率は2~3歳までに70%ほど、20歳代では90%以上におよぶとの報告があります1)。また、EBVは感染すると生涯潜伏感染し、免疫が抑制された状態におかれると再活性化するという性質があります。移植後に起こるPTLDの80%以上がこのEBVの再活性化によるものと言われており2)、PTLDの発症の予測や治療効果の確認にEBVの核酸定量検査が有用であることが示唆されています3)。
「コバス EBV」は、リアルタイムPCR法を原理とする全自動遺伝子検査装置「コバス 6800 システム」または「コバス 8800 システム」を用いて血漿中のEBV DNAを定量的に測定する遺伝子検査キットです。EBVの核酸定量検査はこれまでも臨床検査会社等で独自の測定系により実施されておりましたが、世界保健機構(WHO)の国際標準物質(WHO 1st Standard)を用いた値付けがされた体外診断用医薬品を用いることで、国内のEBV検査が標準化されると期待されています。
製品名 コバス EBV
測定原理 リアルタイムPCR法
主な測定目的 血漿中のEBウイルス (EBV) DNAの測定
包装回数 192テスト
適応機種 コバス 6800 システム または コバス 8800 システム
広報(報道関係者向け
参考:
国立感染症研究所ホームページ 伝染性単核球症とは
Carbone et al., EBV-Associated Lymphoproliferative Disorders: Classification and Treatment. The Oncologist. 2008 13(5) 577-585
Gulley et al., Using Epstein-Barr Viral Load Assays To Diagnose, Monitor, and Prevent Posttransplant Lymphoproliferative Disorder. Clinical Microbiology Reviews. 2010 23(2) 350-366
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