新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスA/B型を同時に検出するロシュのcobas SARS-CoV-2 & Influenza A/B遺伝子検査薬 がFDAの緊急使用許可を取得

本資料はロシュ・ダイアグノスティックス株式会社の親会社であるF.ホフマン・ラ・ロシュ社が2020年9月4日(スイス現地時間)に発表した英文プレスリリースの参考訳です。この資料の正式言語は英語であり、表現や内容については英語の原文が優先されます。

原文は下記URLよりご参照ください。

  •  一つの検体から新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)、インフルエンザウイルスA型およびB型を検出し、鑑別することが可能です。完全自動化されたハイスループットシステム向けで初の商業用検査薬となります。 

  • 症状による識別が困難な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とインフルエンザ感染症を鑑別することができるため、医師の最適な治療方針の判断をサポートします。

  • 抽出から増幅検出まですべての工程が自動化された遺伝子検査装置コバス6800/8800システムをプラットフォームとした検査薬です。

  • 本検査薬はEU(欧州連合)などのCEマーク準拠の各国でも使用可能です。

バーゼル、2020年9月4日 - ロシュ(SIX:RO、ROG、OTCQX:RHHBY)は本日、cobas® 6800/8800システム(以下コバス6800/8800システム)で使用するcobas® SARS-CoV-2 & Influenza A/B Testが、米国食品医薬品局(FDA)から緊急使用許可(EUA)を取得したことを発表しました。本検査薬は、医療従事者によりCOVID-19と一致する呼吸器ウイルス感染症が疑われる患者に対し、SARS-CoV-2、インフルエンザウイルスA型およびB型の同時検出および鑑別を行うことを目的としています。さらに、CEマークに準拠している国においても使用可能です。

ロシュ・ダイアグノスティックスCEOトーマス・シネッカーは以下のように述べています。「SARS-CoV-2とインフルエンザウイルスは症状だけで鑑別することが難しいため、インフルエンザシーズンの到来に伴い、この新しい検査薬が特に重要な意味をもっています。二つの感染症を一度の検査で見分けることは、医師にとって最も効果的な治療方針を判断するための大きなサポートとなります。診断ソリューションを提供するリーダーとして、今回の発売は、正確で信頼性が高く、効率的な検査オプションを提供し、重篤な感染症の蔓延を食い止めるという当社の継続的な取り組みを示すものであると考えています。」

本検査薬のプラットフォームであるコバス 6800/8800システムは、完全自動化されたPCR装置です。ウォークアウェイタイム(機器操作・作業を必要としない時間)が長いハイスループットの機器であり、大量の検体を効率的に且つスピーディに処理することが可能です。このシステムでは一回の測定にかかる時間は約3時間で、最大96テストを同時に処理可能です。複数のユニットを連結していることから、二回目の検体取り込み以降は抽出と増幅検出を並行して行うため、8時間で測定できる数はコバス 6800システムでは384テスト、コバス 8800システムでは960テストとなります。ロシュは供給可能な範囲内でできるだけ多くの検査薬を提供することに全力を尽くします。

本検査薬はロシュの包括的な診断ポートフォリオの一つとして重要な役割をもって追加されました。遺伝子検査、免疫検査、デジタルソリューションによって、感染初期、回復期、治癒後の診断に貢献することで、医療従事者がCOVID-19と闘い、診療を最適化することを支援します。

cobas SARS-CoV-2 & Influenza A/B Testは、マルチプレックスの逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)による検査によって、呼吸器感染が疑われる人から採取した鼻腔(鼻前庭)または鼻咽頭スワブ検体中のSARS-CoV-2、インフルエンザウイルスA型およびB型の同時検出および鑑別を目的としたものであり、インフルエンザウイルスC型は対象外です。FDAの緊急使用許可において、本検査は医療従事者がCOVID-19の感染を疑う患者に対して行うことができます。コバス 6800/8800システムで使用され、精度管理をする上で重要な陰性コントロール、陽性コントロール、内部コントロールを備えています。最大96テストを同時に処理することができるため、検査の効率が上がり、リソースを節約することができます。

本品の判定が陰性であっても、SARS-CoV-2やインフルエンザウイルスの感染を否定するものではなく、治療や他の患者管理を判断する上で唯一の根拠として使用すべきではありません。陰性の結果は、臨床観察、患者の病歴、疫学的情報と組み合わせて判断する必要があります。

cobas SARS-CoV-2 & Influenza A/B Testは、関連する検査技術の訓練を受けた臨床検査技師が使用することを目的としています。米国では、コバス6800/8800システムで使用するcobas SARS-CoV-2 & Influenza A/B Testは、FDAの緊急使用許可の下でのみ使用することができます。

cobas SARS-CoV-2 & Influenza A/B Testは体外診断用医薬品としてはFDAの認可を受けていません。この検査は、中等度および高度の複雑な検査を実施するために、1988年臨床検査改善法改正(CLIA)、42 U.S.C.§263aの下で認定された検査室による使用のために、EUAの下でFDAによって認可されています。この検査は、SARS-CoV-2 ウイルス、インフルエンザウイルスA型およびB型からの RNA の検出のみに認可されており、他のウイルスまたは病原体の検出は認められていません。21 U.S.C. § 360bbb- 3(b)(1)の第564条(b)(1)の下で、SARS-CoV-2ウイルス、インフルエンザウイルスA型/B型の検出および鑑別のための体外診断法の緊急使用の認可を正当化する状況が宣言されている間のみ認可されています。

コロナウイルス(CoV)は、呼吸器疾患を引き起こすウイルスの大きなグループの一つで、一般的な風邪から中東呼吸器症候群(MERS-CoV)や重症急性呼吸器症候群(SARS-CoV)などのより深刻な疾患までを含みます。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、これまでヒトでは確認されていなかった新しいウイルスです。1

感染の兆候には、咳、息切れ、呼吸困難、発熱などの呼吸器症状が含まれます。より重症の場合、肺炎、重症の急性呼吸器症候群、腎不全が発生し、死に至る可能性があります。

感染の拡大を抑えるために、世界保健機関(WHO)では、定期的な手洗い、咳やくしゃみをするときは口や鼻を覆うこと、呼吸器疾患の症状を示す人との接触を避けることを推奨しています。

COVID-19パンデミックは、国ごとに異なる展開を見せながら世界的に進化を続けており、ロシュは、患者が必要な検査、治療、ケアを確実に受けられるよう、医療提供者、検査機関、当局、組織と協力しています。この新しい検査は、ロシュのCOVID-19パンデミックとの闘いにおける新たな一歩となります。これまでにロシュは以下のような取り組みを実施してきました。

  • 現在COVID-19に感染しているかを診断する検査薬、およびウイルスに感染した患者の抗体を検出する検査薬を上市しました。

  • COVID-19に罹患した患者に対する治療の可能性をより良く理解するために、既存のポートフォリオから治療方法を研究しています。

  • COVID-19治療薬を含めた広い範囲のポートフォリオ全体の製品需要を満たすために、製造とサプライチェーンの能力を高めています。

  • この例外的な状況下にあっても、世界中の患者に既存の医薬品と診断薬を継続的に供給しています。

医療システムがこのパンデミックを克服するためには、信頼性の高い、高品質な検査が不可欠です。3月13日、ロシュは、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2を検出するためのハイスループットな遺伝子検査ソリューションについて、FDA緊急使用許可を取得しました。5月3日には、血液中の抗体の存在を検出することを目的としたCOVID-19抗体検査がFDAの緊急使用許可を取得し、CEマークに準拠する市場で使用可能になったことを発表しました。また、6月には、COVID-19が確認された患者の重度の炎症反応を特定するためのElecsys® IL-6検査薬についてFDAのEUAを取得しました。7月にSD Biosensor を販売パートナーとして、COVID-19 に対する抗体の検出が可能な迅速抗体検査をポートフォリオに追加しました。9 月1 日には、CE マークに準拠する市場向けに SARS-CoV-2 迅速抗原検査薬を 9 月下旬に発売することを発表しました。今後、FDAにEUAを申請する予定です。SARS-CoV-2迅速抗原検査は、症状のある人と無症状の人の両方を対象としたポイント・オブ・ケアの場での使用を想定しています。 ロシュは、世界中の政府や保健当局と緊密に連携しており、全世界で検査が利用可能となるように、生産量を大幅に増やしています。

既存ポートフォリオ活用の可能性について積極的に検討し、将来の選択肢を研究しています。ロシュは、COVID-19関連肺炎におけるActemra©/RoActemra©(トシリズマブ)の役割を評価する臨床試験を実施中です。7月29日、COVACTA試験では、COVID-19関連肺炎患者の臨床状態の改善という主要評価項目、および主要な副次評価項目である患者の死亡率の低下を達成できなかったことを発表しました。本試験は、この状況下でActemra/RoActemraを試験した初めての世界的な無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験でした。ロシュは、今後もCOVID-19におけるActemra/RoActemraの臨床試験プログラムを継続して実施し、さらに研究していきます。

Actemra/RoActemraは、抗ウイルス剤との併用を含む他の治療場面での使用を想定しています。COVACTAに加えて、ロシュは、COVID-19に関連する肺炎患者の治療薬としてActemra/RoActemraをさらに検討するためのいくつかの試験を開始しており、二つの第III相臨床試験であるREMDACTAとEMPACTA、および第II相MARIPOSA試験が含まれます。ロシュは、COVID-19の医薬品開発に焦点を当てた社内での早期研究プログラムを追加で立ち上げた一方で、複数の外部研究機関とも協働しています。8月19日には、レジェネロン社の治験薬である抗ウイルス抗体「REGN-COV2」を世界中の人々に提供することを目指して、開発・製造・販売におけるレジェネロン社との提携を発表しました。

この特別な時期にあって、ロシュは政府、医療従事者、そしてパンデミックの克服に取り組む全ての人々と団結し闘っています。

インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することで起こる急性呼吸器疾患です。米国においては、インフルエンザA/H1N1型、A/H3N2型、B型が主な季節性ウイルスです。インフルエンザウイルス A型 および B型は呼吸器感染症の主要な原因の 1 つであり、世界中で毎年成人の 5~10%、小児の 20~30%が感染していると推定されています。インフルエンザは主に、インフルエンザに感染した人がくしゃみ、咳、会話をしたときに出るウイルスを含む飛沫を吸い込むことで感染します。症状としては、発熱、咳、頭痛、倦怠感、筋肉痛、喉の痛み、鼻水などがあります。高齢者、幼児、免疫システムが弱っている人や慢性的な疾患ある人は、重症化するリスクが高いとされています。毎年、約 300 万人から 500 万人が重症化し、29 万人から 65 万人がインフルエンザで死亡しています2

コバス6800システムおよび8800システムは核酸抽出から増幅測定までの工程が完全に自動化されており、効率的に多検体を処理することができます。また、新型コロナウイルスのみならず、HCV、HBVやHIV、HPV、CT/NG、CMV、MTB/MAIなど主要な遺伝子検査項目が一台のプラットフォームで測定可能となっているため、持続可能性が高く、柔軟で幅広い運用を構築することができます。

 

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参考:

  1. 2020年1月23日アクセス

  2. 2020年7月7日アクセス

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