移植後のサイトメガロウイルス感染のモニタリングをサポート 「コバス 6800/8800 システム CMV」保険収載および発売開始

ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社(本社:東京都港区/代表取締役社長 兼 CEO:小笠原 信)は、臓器移植患者および造血細胞移植患者における移植後のサイトメガロウイルス(CMV) DNAをリアルタイムPCR法で定量的に測定する体外診断用医薬品「コバス 6800/8800 システム CMV」について、2020年7月31日付で発売し、2020年8月1日付で保険収載されたことをお知らせします。

移植後の患者は免疫抑制状態にあるため、ウイルスによる感染症を起こす可能性があります。なかでもCMVによるCMV感染症は主要な移植後合併症の一つであり、適切なモニタリングと抗CMV薬による治療介入が必要です。1), 2)。

CMVはごくありふれたウイルスで、日本人は乳幼児期に感染していることが多く、感染すると生涯のあいだ宿主に潜伏感染します。また、免疫抑制状態で再活性化し、臨床症状を伴うCMV感染症を発症するリスクがあります。このため、移植手術の際には、抗ウイルス薬の予防投与もしくはウイルス量がある一定量に達した場合に症状がなくても抗ウイルス薬を投与する先制治療を行います。CMVのウイルス量を定量的に測定することは、CMVの再活性化の早期発見や適切な治療介入につながります。 

「コバス 6800/8800 システム CMV」は、リアルタイムPCR法を原理とする全自動遺伝子検査装置「コバス 6800 システム」または「コバス 8800 システム」を用いて血漿中のCMV DNAを定量的に測定する遺伝子検査キットです。WHO 1st Standardを用いた値付けがされています。国内では従来、抗原血症法(アンチゲネミア法)がCMV感染の診断に用いられてきましたが、海外のCMV感染管理に関するガイドライン3)においてWHO標準品によって値付けされた核酸検査によるウイルス量の測定が推奨されており、今後はCMV感染の診断の補助として遺伝子検査が普及していくと期待されています。

販売名:コバス 6800/8800 システム CMV
主な測定目的:血漿中のサイトメガロウイルス(CMV) DNAの測定 

測定項目:サイトメガロウイルス核酸定量
測定方法:リアルタイムPCR法 
保険点数:450点

CMVの初感染、再感染あるいは再活性化によって起こる病態。CMVはごくありふれたウイルスで、過去にはほとんどの人が乳幼児期に感染を受けていた。通常、乳幼児期に不顕性感染(感染状態だが無症状)の形で感染したものが、移植手術後の免疫機能が低下しているような免疫抑制状況下で再活性化し、種々の病態を引き起こす。早期診断、早期治療がなされない場合は、発熱、間質性肺炎、脳炎などを発症し、移植臓器を失うことにもつながる。
(参照:

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参考:

  1. 腎移植後サイトメガロウイルス感染症の診療ガイドライン 2011 日本臨床腎移植学会ガイドライン作成委員会

  2. 造血細胞移植ガイドライン ウイルス感染症の予防と治療 サイトメガロウイルス感染症(第4版)日本造血細胞移植学会

  3. Kotton et al. The Third International Consensus Guidelines on the Management of Cytomegalovirus in Solid-organ Transplantation. Transplantation. 2018, 102, 900-931

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