ロシュグループ/診断薬事業部門 2022年度通期業績のお知らせ

本資料はロシュ・ダイアグノスティックスの親会社であるF.ホフマン・ラ・ロシュ社が2023年2月2日(スイス現地時間)に発表した英文プレスリリースを一部抜粋した翻訳版です。この資料の正式言語は英語であり、表現や内容については英語の原文が優先されます。(記述される製品には日本未発売の製品も含まれています)

原文は下記URLよりご参照ください。

*日本国内では、ダイアベティス・ケア事業(血糖測定関連事業)は、ロシュDCジャパン株式会社が担当しています。

*特に記載の無い限り、この書類における全ての成長率は恒常為替レート(CER)で計算されています

(CER:2021年の平均値)

  • ロシュグループの売上は、両事業部門でCOVID-19関連製品の売上が減少したものの、恒常為替レートで2%の成長、スイス フラン換算では1%の成長

  • 診断薬部門の売上は、基盤ビジネスの継続的な好調(7%増)が、下半期におけるCOVID-19検査の需要減少を上回り、全体として3%増加

  • 診断薬事業部門の2022年第4四半期ハイライト(2023年1月含む):
     ・ 新規の臨床試験において、Elecsys NT-proBNP心機能検査の高い医学的価値を証明
     ・ アルツハイマー病検査、米国で承認取得;サル痘ウイルス検査、米国で緊急使用承認取得

COVID-19関連製品の売上が約50億スイスフランと大幅に減少したことで、グループの売上は1桁台前半(恒常為替レート)に減少すると予想しています。COVID-19の売上減少を除けば、医薬品事業部門及び診断薬事業部門共に、堅調な売上成長を見込んでいます。

1株当たりのコア営業利益は、売上の減少に概ね沿って成長させることを目標としています(恒常為替レート)。ロシュは、スイスフランでの配当の更なる増額を見込んでいます。

ロシュグループCEO(最高経営責任者)のセヴェリン・シュヴァンは通期の結果について、次のように述べています。「予想されていた通り、COVID-19関連製品の売上は減少しましたが、2022年は良好な結果を達成することができました。診断薬事業部門の基盤ビジネスと当社の新薬は好調に推移しました。2022年にはパイプラインの中止がありましたが、特定の重度の眼疾患治療薬 Vabysmo、および難治性の血液がん治療薬Lunsumioという、2つの新薬を患者さんに届けることができ嬉しく思います。今年度は、COVID-19関連製品で約50億スイスフランの売上減少が予想されますが、医薬品事業と診断薬事業の両部門の堅実な成長により、それを補うことができるでしょう」

診断薬事業部門の売上は、3%増の177億スイスフランでした。基盤ビジネスは、一年を通じてすべての地域で良好な結果(+7%)を達成しました。免疫学的検査が主な成長要因となりました。

ロシュの幅広いCOVID-19検査のポートフォリオは、2022年には合計で41億スイスフランの売上を達成しました。(2021年:47億スイスフラン)

地域別では、アジア・パシフィックと北米の売上は、それぞれ23%、13%と増加しました。一方、ヨーロッパ・中東・アフリカ(EMEA)の売上は、主にCOVID-19検査の需要低下の影響を受け、16%減となりました。

診断薬事業部門:2022年第4四半期の主なマイルストーン

急性心不全の入院患者は、再入院・死亡リスクがあります。11月、ロシュは急性心不全の入院患者を対象とした、STRONG-HF試験(当社のバイオマーカー検査、Elecsys NT-proBNPを使用)の良好な結果を発表しました。心臓関連検査に関する試験において、強化治療群が優れた有効性を示したことにより、早期に中止されたのは初めてのことです。この治療戦略を日常の臨床診療に導入すれば、心不全患者の管理におけるパラダイムシフトをもたらす可能性があります。またこの試験は、治療方針に組み込まれた診断ソリューションが、いかに患者ケアの改善に不可欠な要素であるかを強調しました。

世界的に、アルツハイマー病患者の75%が診断を受けておらず、診断を受けている患者も、診断を受けるまでに長く複雑なプロセスを経ていると報告されています。12月、Elecsys AD CSFアッセイがFDAの認可を取得しました。これらのアッセイは、コバスの全自動分析装置で測定可能となり、高品質な検査をタイムリーに患者に提供できます。

2022年、COVID-19のパンデミックの際と同様に、ロシュは新たな公衆衛生の脅威に対して迅速に対応する能力を示しました。春には、サル痘ウイルスを検出する一連の検査を開発した最初の企業の一つになりました。11月には、ロシュの全自動ハイスループット機器で測定する cobas MPXV 検査の緊急使用許可をFDAから取得しました。このリアルタイムPCR検査は、患者が正しい結果を迅速に得るのに役立ちます。

ロシュの幅広いCOVID-19製品のポートフォリオがさらに強化されました。cobas SARS-CoV-2 定性検査は、FDAが承認した最初のCOVID-19 PCR検査の一つで、全自動ハイスループット機器を用いて測定します。

COVID-19の早期検査は、適切な治療方針の決定に役立ちます。このことから、ロシュはファイザーと共同で、タイムリーなCOVID-19検査と有効な治療選択肢の重要性について、認知向上の活動を行うことを発表しました。

診断薬事業部門の売上

主に中央検査室向けに、免疫学的検査、生化学検査、カスタムバイオテックの領域で診断ソリューションを提供します。免疫学的検査 (心疾患およびがんの検査など)と生化学検査が主に成長を牽引し、売上が 6% 増加しました。 アジア・パシフィック、EMEA、そして中南米が特に貢献し、すべての地域で売上が増加しました。

SARS-CoV-2迅速抗原検査、血液ガスおよび電解質検査を含む、救急救命室や医療現場、または患者に対して直接提供する診断ソリューションに焦点を当てています。売上は17%成長しました。SARS-CoV-2 ラピッド抗原検査が引き続き主要な成長要因となりました。cobas SARS-CoV-2 & Influenza A/Bの需要もまた高まりました。最も売上を牽引したのはアジア・パシフィックと北米でした。

主に遺伝子検査を行う検査室向けに、病原体の検出とモニタリング、ドナースクリーニング、セクシャルヘルス、ゲノミクスなどの診断ソリューションを提供します。売上は、主に北米と EMEAでの COVID-19 関連製品の売上減少により、15% 減少しました。 これは、ポートフォリオ全体の基本ビジネスの成長により部分的に相殺されました。

糖尿病患者と医療従事者向けに統合化された個別糖尿病マネジメントを提供します。2021年の訴訟和解金によるベース効果により、売上は2%減少しました。これを除けば、売上は安定していました。 特に米国とヨーロッパでの血糖自己測定市場の継続的な縮小は、新興国での需要の高まりによって部分的に相殺されました。

主に病理検査室向けに、組織生検やコンパニオン診断のための診断ソリューションを提供しています。これらの標的診断は、一人ひとりの患者に合った治療法の決定をサポートします。売上は、主にアドバンスド・ステイニング事業およびコンパニオン診断薬事業の成長により11%増となり、すべての地域で成長しました。

コア・ラボ:免疫・生化学検査、血液凝固検査 
ポイント・オブ・ケア:臨床現場即時検査
モレキュラー・ラボ:遺伝子検査用試薬・機器
ダイアべティス・ケア: 血糖測定関連事業
パソロジー・ラボ: 病理学的検査用試薬・機器

本件のお問い合わせ先

広報(報道関係者向け)

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