ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社

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ロシュ・ダイアグノスティックスのプレスリリース

2013年5月31日

本資料はロシュ・ダイアグノスティックスの親会社であるF.ホフマン・ラ・ロシュ社が2013年5月15日(スイス現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳したもので、報道関係者の皆さまに参考資料として提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、表現や内容については英語の原文が優先されます。

原文は下記URLよりご参照ください。
http://www.roche.com/media/media_releases/med-cor-2013-05-15b.htm

FDAがTarceva(タルセバ®)錠および、cobas EGFR Mutation Testを
特定の肺がんの治療用に承認

タルセバ®はEGFR活性化遺伝子変異を有する転移性非小細胞肺がんの患者さんの一次治療に使用される、米国で最初に承認された個別化医療対象薬です。

バーゼル 2013年5月15日- ロシュ社は本日、米国食品医薬品局(FDA)の既承認の診断法によって確認されたEGFR(上皮増殖因子受容体)遺伝子変異を有する転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者におけるTarceva(一般名:エルロチニブ)の一次治療について、FDAから承認を取得しましたのでお知らせします。FDAは同時に、ロシュ社により開発され、EURTAC試験により有用性が実証されたcobas EGFR Mutation Testについても承認を通知しています。この試験において、Tarcevaによる治療は化学療法と比較して無増悪生存期間の延長を示しました(無増悪生存期間中央値:10.4ヶ月対5.2ヶ月、ハザード比0.34、p<0.001[95% CI 0.23~-.49])。EURTAC試験におけるTarcevaの安全性プロファイルは、非小細胞肺がん患者に対しこれまでに行われたTarcevaの試験結果と同様でした。

ロシュ社の国際開発担当兼最高医学責任者のHal Barron 医学博士は「世界中の肺がん患者さんの10~30%の腫瘍には特定のEGFR遺伝子変異が存在します。」と指摘し、「このようなタイプの肺がん患者さんにとって、病勢の進行なく生存期間の延長につながる一次治療としての個別化医療という選択肢ができました。」と語っています。

ロシュ・モレキュラー・ダイアグノスティックス代表のPaul Brownは「医師と患者さんが個別化された治療方針を決定する上で、ますます診断法が重要になっています。この度のcobas EGFR Mutation Testの承認は、重要な治療方針決定を適時に実施するためには高感度かつ高精度な検査法が重要であることを強調しています。」と述べるとともに、「ロシュ社では、個別化医療という選択肢を提供することに注力しており、現在研究開発パイプラインにある医薬品の半数以上においてコンパニオン診断薬の開発が進められています。」と説明しています。

米国においてTarcevaは、組織像や特定のバイオマーカーステータスに関係なく、ある特定の化学療法(メインテナンス療法)による一次治療後のがんの転移や病勢の進行が認められなかった進行期NSCLC患者の治療薬として承認されています。また、少なくとも1回の化学療法(第二次もしくは第三次治療)を行った後にがんの転移や病勢の進行が認められた進行期NSCLC患者の治療薬としても承認されています。Tarcevaは進行性NSCLC患者の治療に用いられている特定の化学療法との同時処方は意図されていません。欧州では、EGFR活性化遺伝子変異を有するNSCLC患者の一次治療での使用が2012年に承認されています。

今回のFDA承認は、EURTACの第III相試験の結果に基づいています。この第III相試験はEGFR活性化遺伝子変異を有する進行性のNSCLC患者を対象とした一次治療として、Tarcevaとプラチナベースの化学療法を比較評価したものです。腫瘍縮小(奏効率)はTarcevaによる治療で65%、プラチナベース化学療法で16%の患者に認められました。Tarcevaを用いた治療で最も多く認められた有害事象(発生率30%以上のもの)は下痢、脱力感、発疹、咳、息切れおよび、食欲減退でした。最も多く発現したグレード3-4の有害事象は発疹および、下痢でした。

 
EURTAC試験について
  • EURTAC (European Randomised Trial of Tarceva versus Chemotherapy)試験は、スペイン肺がんグループ(SLCG)により計画、出資され、ロシュの協力のもとスペイン、フランス、イタリアで実施されました。
  • cobas EGFR Mutation TestはEGFR遺伝子に変異(エクソン19欠失または、エクソン21[L858R]置換)のある患者の特定に使用されました。
  • 2007年2月から2011年1月にかけて、174人の患者(主に白人)がTarceva群とプラチナベース化学療法群に無作為に割り振られました。主要評価項目は治験者評価によるPFS(無増悪生存期間)でした。
  • 無作為化は特定のEGFR遺伝子変異とECOG身体機能評価(0 vs. 1 vs. 2)により層別化されました。
  • EURTAC試験におけるTarcevaの安全性プロファイルはNSCLC治療におけるTarcevaに関する以前の試験と一致します。
  • Tarcevaを用いた治療で最も多く認められた有害事象(発生率30%以上のもの)は下痢、脱力感、発疹、咳、息切れおよび、食欲減退でした。最も多く発現したグレード3-4の有害事象は発疹および、下痢でした。
肺がんについて

米国がん協会によると、肺がんと診断される米国民は2013年には228,000人以上となり、その85%がNSCLC患者と推測されます。肺がん診断時の約60%が進行期がんであると推測されています。

肺がんにおけるEGFRについて

EGFRは細胞表面に広く存在するタンパク質です。上皮増殖因子(EGF)は細胞外にあるEGFRタンパク質の部分に結合します。EGFの結合によりEGFRタンパク質が活性化され、細胞内で複雑なシグナル伝達を引き起こし、細胞の増殖、分化を加速し、転移(腫瘍の増殖や他部位への広がり)の発達に関与します。EGFR遺伝子に活性化突然変異が認められるNSCLC腫瘍においては、EGFRタンパク質の構造変化によるEGFR活性化が生じています。

cobas EGFR Mutation Testについて

cobas EGFR Mutation TestはリアルタイムPCRベースの診断検査で、NSCLC患者から採取したホルマリン固定、パラフィン包理腫瘍(FFPET)組織から抽出されたDNA内のEGFR遺伝子におけるエクソン19欠失または、エクソン21[L858R]置換の突然変異を定性的検出、識別します。この検査は腫瘍にそのような突然変異が存在している進行性NSCLC患者を識別するために使用されるものです。

Tarcevaについて

Tarcevaは進行性または転移性NSCLCの治療に用いられる1日1回経口投与の非化学療法剤です。がんの増殖と発生に関与するタンパクであるEGFRを阻害することが認められています。Tarcevaはアステラス ファーマUSが米国ではジェネンテック社と、日本では中外製薬と、その他の地域ではロシュと共同販促するものです。

【ロシュについて】

スイスのバーゼルに本社を置き、医薬品ならびに診断薬事業の双方に強みを持つ研究開発型の世界的ヘルスケア企業です。がん、ウィルス感染症、炎症、代謝ならびに中枢神経系領域において他社と一線を画した薬剤を保有する世界最大のバイオテクノロジー企業です。さらに、体外診断薬、がんの組織学的診断の世界的リーダーであり、糖尿病管理のパイオニアです。ロシュでは、個別化医療戦略を掲げ、患者の健康、QOL、延命を明確に改善する薬剤や診断薬の提供を目指しています。2012 年、世界各国に82,000 人以上の社員を擁し、研究開発費に約80 億スイスフランを投資しています。ロシュグループの2012 年の売上は455 億スイスフランでした。ジェネンテック社(米国)は、100%子会社としてロシュグループのメンバーとなっています。また、ロシュは中外製薬社(日本)の株式の過半数を保有しています。さらに詳しい情報はwww.roche.comをご覧下さい。

本件のお問い合わせ先

広報グループ

電話03-5443-7040

FAX03-5443-7113

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