病理標本のデジタル化をサポートするバーチャルスライドスキャナー
「ベンタナ iScan HT(アイスキャンHT)」発売のお知らせ
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ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社(本社:東京都港区/代表取締役社長 兼 CEO: 小笠原 信)は、病理標本のデジタル化をサポートする大容量・高速バーチャルスライドスキャナー「ベンタナ iScan HT(アイスキャンHT)」を、3月29日に発売します。
がんの確定診断や治療方針決定のために行われる病理学的検査では、臨床検査技師が、患者さんの身体の一部から採取された組織片を染色し、スライド標本を作製後、病理医が顕微鏡で観察、診断します。これまでは、診断後のスライド標本は、ほとんどの場合スライドのまま保存されてきましたが、先の東日本大震災でスライドの破損が多く見られたことや、保存場所確保の問題もあり、デジタル化への注目が高まっています。
病理標本のデジタル化は、希少標本・借用標本の画像保存や遠隔診断(テレパソロジー)など、主に中・小規模病院や病理医不足による地域診断格差の是正、医療の均一化のための需要がありました。一方、大規模病院や検査センターでは、全量スライド保存、染色標本のスクリーニングを含む総デジタル化の要望が高まっています。
バーチャルスライドスキャナー「ベンタナiScan HT (アイスキャンHT)」は、従来品の約4倍(当社比)のスピードで、大量のスライドを高画質でスキャン可能です。操作性の向上により、スキャン作業の効率化も図られ、病理医・検査技師の負担を軽減します。また、今まで性能的に難しかったスライド標本の全数取り込みや、すべての操作をモニター上で行うことも可能にします。コンパクトでフレキシブルな従来品に、高速・大容量の「ベンタナiScan HT(アイスキャンHT)」が加わることでラインアップが拡充し、より幅広い顧客ニーズに応えていきます。
個々の患者さんにあった治療法を選択する個別化医療(PHC)において、重要な役割を果たす病理学的検査での効率化に寄与することで、ロシュ・ダイアグノスティックスは、PHCのリーディングカンパニーとして医療への貢献を続けてまいります。
【製品特性】
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スライド1枚あたりの処理時間がTTV*45秒(15x15mm@20x)と当社従来品の約1/4に短縮
- 360枚のスライドを収納できる大容量ラック
- スキャンとスライド入出機構を独立させ、一時停止することなくスライドの取り出し、追加が可能なランダム・
コンティニュアスアクセス機能
*TTV:Time To Viewの略。 スタート→スキャン→画像表示までの総合時間。
(試料サイズ15x15mm,20倍スキャン)
【製品構成・仕様】
バーチャルスライドスキャナ- |
スキャンスピード |
約45秒(15mmX15mm@20x) |
スループット |
約80枚/時間(15mmX15mm@20x) |
スライド収容容量 |
360枚(20枚x18ラック) |
対応スライド |
26mmx76mm病理組織用スライド |
緊急割込(STAT) |
緊急割り込み可能。取込優先順位変更可能 |
スキャン倍率 |
20x/40x(電動切替式) |
Z Stack |
Z軸(フォーカス方向)の積層スキャン可能 |
スライド検出 |
自動 |
検体部位検出 |
自動(手動設定も可能) |
バーコード |
1D/2D対応 |
コンティニュアスアクセス |
スキャンを止めずに実行 |
本体内蔵モニター |
10.1インチモニター(解像度1024x600) |
モニター |
高精細24インチモニター(解像度1920x1200) |
寸法(cm) |
W900 x D700 x H660 mm |
重量 |
170kg |
イメージビューアー (コントロールPCにインストール済み) |
ズーム |
取込対物レンズの2倍まで可能(デジタルズーム) |
トラッキングハイライト |
観察した部位をサムネイル上で倍率別に色づけ |
【希望販売価格】(税抜)
2,400万円
【製品写真】
<製品写真は、下記URL「製品画像ダウンロード」より入手可能です。>
http://www.roche-diagnostics.jp/news/photo/index.html
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