ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社

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ロシュ・ダイアグノスティックスのプレスリリース

2013年3月8日

(当参考資料は、F.ホフマン・ラ・ロシュが2013年2月22日付で発表した英文プレスリリースの翻訳版です)
2013年2月22日 ドイツ・ペンツバーグ、米国・フロリダ州マルコ島発

ヒトリファレンスゲノム配列*について、ギャップクローズ*に重要な進捗、新規遺伝子の発見

高性能なロングリードシークエンス技術により、これまでのヒトリファレンスゲノムではシークエンスされていなかった領域に関しての新しい知見が得られました

2月23日ロシュは、ペンシルベニア州立大学、国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information =NCBI)、オークランド子ども病院研究所、ロシュ454ライフサイエンスの研究者で構成されているコンソーシアムが、既存ヒトゲノムリファレンス配列をより正確なものにするために、新たにヒトゲノムの包括的なde novoアセンブリ* に取り組んでいることを発表しました。このチームは、フロリダのマルコ島で行われた「ゲノム生物学とテクノロジーの進歩 学会」で最新の研究成果を紹介しました。

このコンソーシアムでは、ペンシルベニア州立大学の教授であるシュテファン・シュスター博士が主導し、ヒトの既存リファレンスアセンブリのギャップを埋めるため、RP11ゲノムの解析およびアセンブリをロシュ社の454 GS FLX+シークエンサーを用いて解析を進めています。今日までに解析されたドラフトアセンブリでは、残されていたヒトリファレンス配列中のギャップの大半を埋めて、新たに3千6百万塩基の配列情報を見つけ、生物学的に意味があると思われる遺伝子を新規に発見できていると報告されています。

ロシュ・アプライドサイエンスの代表であるダン・ザブロウスキーは、「当社のユニークなロングリードシークエンス技術が、今後のゲノム研究に大きな影響を与えるこのようなプロジェクトに貢献できたことを誇りに思います。このプロジェクトは、さまざまな革新的なシークエンス解析とアセンブリ技術を組み合わせることの有効性を示していると考えています」 とコメントしました。

この新しいde novoアセンブリ結果は、次世代シークエンス技術による「ヒトリファレンスゲノム」の完成形にもっとも近い標準配列になると考えられています。このアセンブリ結果は、サイズやコンティグイティー* が、2007年に公開されたJ・クレイグ・ベンターゲノム(HuRef)を含むサンガー法によるアセンブリ結果として公表されたものと同等でした。この最新のアセンブリでは、残り76カ所のギャップを埋めていっており、新たに13カ所のリピート領域を特定することができ、さらに合計3千6百万の新しい塩基配列が見つかっています。

「このプロジェクトはまだ初期段階ですが、現段階での進捗状況およびアセンブリの品質の高さに大変満足しています。454シークエンシング技術を使うことにより、ヒトゲノム全体を均一にシークエンスすることができ、またロングリードを活用することでサンガー法と同等なデータでリファレンスゲノム配列を得ることが可能となることが証明されました」と、シュテファン・シュスター博士は述べました。

このアセンブリは、18x の454 GS FLX+ロングリード シークエンスデータと、7.5xの イルミナ社 のMiSeq と HiSeq より得られたショートリード シークエンスデータとを組み合わせて解析しました。de novoゲノムアセンブリには、Roche 454 GS De Novo アセンブラーソフトウェア (Newbler)を使用しました。現在さらに新たなデータを追加し、様々なバイオインフォマティックス戦略を駆使することにより、さらにアセンブリのコンティギュイティーを高め結果の品質を向上させるべくプロジェクトが進行しています。これらの結果は将来的に一般に公開される予定です。

 
【RP11ゲノムとヒトゲノムリファレンス配列について】

2001年に発表されたヒトゲノムプロジェクト(Human Genome Project=HGP)では、多数の男性と女性ドナーからDNAサンプルを収集し、その中から一部のDNAサンプルのみをDNAリソースとして使用しました。この際ドナー情報は保護されていたため、誰のDNAがシークエンスされたのかはドナーも研究者も知りません。その後品質を考慮して、ヒトゲノムリファレンス配列(現在のGRCh37)のほとんど(〜70%)がHGPおよびゲノムリファレンスコンソーシアム( the Genome Reference Consortium)により作成され、この際使用されたDNAサンプルはニューヨーク州バッファローの匿名男性ドナー1名由来のBACライブラリー*「RP11」でした。今回の最新のアセンブリプロジェクトでも、オークランド子ども病院研究所のピーター・デ・ヨング博士の協力により、同じDNAサンプルが使用されました。

<用語解説>
*リファレンスゲノム配列---既に配列が決定されているゲノム配列
*ギャップクローズ---つながっていないゲノム配列領域をつなげること
*de novoアセンブリ---新規のアセンブリ。アセンブリとは、シークエンサーから得られた生データから元のゲノム配列を作り上げる作業
*コンティギュイティー---連結性
*BACライブラリー---大腸菌人工染色体(Bacterial Artificial Chromosome :BAC)によるゲノムライブラリー

【ロシュについて】

スイスのバーゼルに本社を置き、医薬品ならびに診断薬事業の双方に強みを持つ研究開発型の世界的ヘルスケア企業です。がん、ウイルス感染症、炎症、代謝ならびに中枢神経系領域において他社と一線を画した薬剤を保有する世界最大のバイオテクノロジー企業です。さらに、体外診断薬、がんの組織学的診断の世界的リーダーであり、糖尿病管理のパイオニアです。ロシュでは、個別化医療戦略を掲げ、患者さんの健康、QOL、延命を明確に改善する薬剤や診断薬の提供を目指しています。2011年、世界各国に80,000人以上の社員を擁し、研究開発費に約80億スイスフランを投資しています。ロシュグループの2011年の売上は425億スイスフランでした。ジェネンテック社(米国)は、100%子会社としてロシュグループのメンバーとなっています。また、ロシュは中外製薬社(日本)の株式の過半数を保有しています。さらに詳しい情報はwww.roche.comをご覧下さい。

本プレスリリースに使用された商標等はすべて法律で保護されています。

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広報グループ

電話03-5443-7040

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