独自の技術により高度ゲノム解析を加速
超高密度DNAマイクロアレイ「ニンブルジェン HD4 CGHアレイ」発売のお知らせ
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ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社(代表取締役社長 兼 CEO:小川 渉)は、2011年6月1日より、研究用の超高密度DNAマイクロアレイ「ニンブルジェン HD4 CGHアレイ」を発売いたします。ロシュ・ニンブルジェン(※1)独自の技術によりマイクロアレイの更なる高密度化を実現し、これまで不可能であった微細なCNV(疾患に関係するDNAコピー数の変異)の検出が可能となります。
「ニンブルジェン HD4 CGHアレイ」は、ロシュ・ニンブルジェン独自の技術であるマスクレス・アレイ・シンセサイザー(MAS)技術を利用したMASシステム(※2)によって製造された超高密度DNAマイクロアレイです。既存品である「ニンブルジェン HD2 CGHアレイ」の2倍の密度を誇る420万本のDNAプローブをスライドグラス上に搭載し、マイクロアレイの更なる高密度化を実現しました。DNAプローブを高密度に配することで、当社が既に販売している専用スキャナーを使用してこれまでに検出が不可能であった微細なCNVの検出が可能になると共に、一度に解析可能なゲノムのボリュームが飛躍的に増えました。その結果、ゲノム全体の広範囲にわたる多様な変異の解析を高い解像度でおこなえ、サンプルあたりの解析コストの削減が可能になります。
昨今では、多くの研究から癌や遺伝性疾患といった複雑な疾患に対するCNVの関与が明らかになっており、きわめて小さなCNVを検出する需要がますます高まってきています。また、マイクロアレイによるCNVの解析は非常に多く利用される手法であり、ゲノムワイド関連解析(Genome-Wide Association Study)(※3)において、構造変異と疾患のメカニズムを明らかにする上で非常に重要な技術となります。
「ニンブルジェン HD4 CGHアレイ」は、疾患研究およびライフサイエンス研究分野における高度ゲノム解析のパフォーマンスの向上に貢献します。
【製品特性】
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420万本のDNAプローブをスライドグラスに搭載
- 高い解像度でゲノム全体の解析が可能
- 微細なCNV領域の検出とDNAコピー数の変異の発見が可能
- 解像度を落とすことなくサンプルあたりの解析コストの削減が可能
- 使用目的から選べるラインナップで、1枚のマイクロアレイで最大3サンプルまで解析が可能
【希望販売価格】※すべて1枚あたり
製品名 |
フォーマット
解析可能サンプル数 x DNA プローブ数 |
仕様 |
価格(税込) |
ヒト CGH 4.2M WG-T v1.0 アレイ |
1 x 4.2M |
レディ-メイド |
178,500円 |
ヒト CGH 3 x 1.4M WG-T v1.0 アレイ |
3 x 1.4M |
レディ-メイド |
178,500円 |
カスタム CGH 4.2M アレイ |
1 x 4.2M |
カスタムデザイン |
178,500円 |
カスタム CGH 3 x 1.4M アレイ |
3 x 1.4M |
カスタムデザイン |
178,500円 |
【対応機種】
既に発売済みの当社DNAマイクロアレイ対応スキャナー「ニンブルジェン MS 200 マイクロアレイスキャナー」
【用語解説】
※1 ロシュ・ニンブルジェン:
2007年8月にロシュグループがニンブルジェン社を完全買収したことにより、ロシュのグループ会社となる。 独自開発のDNAマイクロアレイ、消耗品、機器、およびサービスを提供する革新的な製造・供給業者として独自性を発揮。きわめて多様なゲノムやエピゲノムの変異に関する研究に必要とする多くの情報量や高品質のデータを提供する長鎖のオリゴプローブを搭載した高密度アレイを独自に製造。
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※2 MASシステム:
光媒介化学合成を応用した高密度DNAアレイ作成装置。コンピューターで精密に制御された超微細な鏡を利用して、スライドグラス上の任意の場所の光感受性保護基を外し、そこに任意の塩基(プローブ)を積上げる原理で作成する。高価な理由となるマスク(鋳型)を作成する必要がないため、価格を抑えつつ高い解像度を両立して高密度化アレイを製造できる。 |
※3 ゲノムワイド関連解析:
疾患に罹患している集団と一般対照集団との間で遺伝情報の違いを検定し、疾患の原因となる遺伝子や多型を見出すことを、全ゲノム領域の各多型に対し行う方法
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【製品写真】
<製品写真は、下記URL「製品画像ダウンロード」より入手可能です。>
http://www.roche-diagnostics.jp/news/photo/index.html
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